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生きることにちょっと 不器用な子どもたち、もと子どもたちの 短いお話を 綴っています

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だんごむし(みんな みんな いいこ1)

☆50音順「た」の時書いたものです
danngomusi.png



「ついてくんな。」


お兄ちゃんに おいてきぼりにされて
お外で しゃがんで 泣いてたら 

ユイちゃんの くつの上 そろりそろり、
ダンゴ虫 一匹、乗ってきた。



あれ、あれれ ダンゴ虫
こんなところに いっぱいいるよ。

あっち チョン。   こっち ツン。
みんな コロコロ ダンゴになった。


面白くって 面白くって 
ユイちゃんは 夕方まで 夢中になって 
だんご虫と遊んだんだ。


次の日 ユイちゃんは ビニール袋を持って お外に出かけた。

コロコロ まるい ダンゴ虫、袋にどっさり 集めたんだ。




ママ、見て すごいよ。 こんなに ダンゴ虫。

玄関で ママを呼んで 得意になって 見せた。
ママの顔が すーっと青くなって


ユイちゃん、お家に入れちゃダメ。  
逃がしてきてね。お願いよ!


ママは あわてて部屋に入ってしまい、
手だけ出して、早く、早くって ユイちゃんを追い出した。



ママ、ダンゴ虫 かわいくないのかな。

ユイちゃんは 一匹 一匹 さよなら言って 戻してやった。





次の日 幼稚園のお絵かきの時、ユイちゃんはダンゴ虫 描いた。


のぞきこんだアリサちゃんとエリカちゃんは
つっつき合って 「いやーん」って言って 笑ってた。



次の日も、その次の日も その次の日も 
ユイちゃんは ダンゴ虫 描いた。


好きなもの描きましょうって マサエ先生は言ったのに

「うーん、ユイちゃん、他のもの 描いてごらんよ。」
「ほーら、色んな色 使うと楽しいよ。」


そして、お迎えに来たママと、真剣な顔で ヒソヒソ話してた。


 ダンゴ虫・・・・だめ?




ユイちゃんは、今日は ダンゴ虫、3匹並べて 描いてみた。

このごろは のぞきこむ女の子も いないんだ。



ユイちゃんが 「出来上がり」 って クレヨン置いたとき
突然 うしろから、大きな 大きな声がした。


「お~ ユイちゃん、ダンゴ虫かぁ、おもしろいなぁ!」


ときどき ユイちゃんの組にもやってくる おとこ先生だ。



「な、ユイちゃん、今日のダンゴ虫、先生にくれないかな?」 
 変なこと言う たっちゃん先生。


「ちょっといいこと思いついた。それ 切り抜いてもいい?」
 たっちゃん先生 ユイの嫌なこと しないよね?


ユイちゃんは、お絵かき帳を 先生に差し出した。


先生は エプロンのポケットから はさみを出して
今 作ったみたいな、でたらめの「ダンゴ虫のうた」 歌いながら
ユイちゃんの 3匹のダンゴ虫を 
チョキチョキ チョキチョキ 切り抜いていく。

集まってきた みんなの顔を、ぐるっと見てから 
たっちゃん先生は、

「さて さて、 ナニが 出るのかな~?」って言って、
手品みたいに、今度は 割りばしを 3本 出してきた。



そして 3匹のダンゴ虫の裏がわに
セロテープで ぺたっ ぺたっ ぺたっ て くっつけたんだ。





たっちゃん先生の だんご虫劇場は 大人気。



ユイちゃんに笑顔 やっと 戻った 


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ちょうちょ(みんな みんな いいこ2)

50音順「ち」の時書いたものです。
tyoutyo.png


たっちゃん先生が 何かたくらんでいる。


お散歩の時間 アリサちゃんは ピンときた。
たっちゃん先生たら 
変なかたちの 大きな紙包みを持って 
ついて来るんだ。
  
マサエ先生が、
「よそみしないで! まっすぐ二列!」
って、いくら言っても

皆、たっちゃん先生の まわりを 
ヒラヒラ 行ったり来たりして
先生のナイショの計画を 知りたがっていた。


「わぁ・・」


公園についた 皆は 
目をまん丸にして いっせいに声をあげた。

ひらひら ちょうちょが 
あっちにも こっちにも。


みんな きゃあきゃあ 言って、てんでに追っかけはじめた。



そしたらね、たっちゃん先生 みんなを集めて、

「さて さて 何が出てくるでしょう。」

持ってきた 紙包み カサカサ開けたんだ。

出てきたのは 虫取りアミ。
もち手のところが グーンと伸びるヤツだ。

「やったー。」

アッくんが さっと つかむと 
いきなり ブンブン 振り回す。


あんまり めちゃくちゃに振り回すもんだから、
アリサちゃんも みんなも、大騒ぎしちゃったんだ。


ちょうちょ びっくりさせちゃった。





アッ君から アミが まだ、
誰にも回してもらえないうちのことだった。

マサエ先生が 知らない女の人に しかられた。


「ちょうちょが かわいそう。 
  こんなに大勢でやって来て、なんて乱暴なんでしょう。」

おばさんは、カンキョウホゴとか アイゴノセイシンとか
難しいことを いっぱい言った。

マサエ先生は黙って聞いて、あやまっていた。



追いかけまわしたり、アミでとったりしたら、
ちょうちょがかわいそうだ   

  ・・おばさんがそういってることだけは、
    アリサちゃんにも解ったよ。


 

       
だけど、アミを片付けた後の お散歩は つまらなかった。

マサエ先生は 「騒がないで」とか 「走らないよ」 とか
「ほらほら 他の人に迷惑よ」  とか
 
注意 ばっかり。


たっちゃん先生は、マサエ先生に
「今日は もう、勝手なことしないでくださいよ。」
 って こっそり 言われてた。


だから それからは ずぅっと 
「アンゼンカクニン」とか「ユウドウ」とかばっかり やっていた。



でもね、そんな たっちゃん先生の まわりを、
幼稚園に帰るまで  ひらひら ひらひら ちょうちょ 
付いてきてたんだ。



先生とちょうちょ 仲良しだ。

アリサちゃんは なんだか ちょっと ホッとした。


そうしてね、アリサちゃんは もうひとつ 気が付いている。

たっちゃん先生 幼稚園に着くころは もう 
歩きながら、フンフン でたらめ歌 歌ってた。

そして 鼻の下キューンって伸ばして、
目、クリクリ させたんだ。

これって、 たっちゃん先生が 

何かまた いいこと 思いついた証拠なんだよ。


どろんこ 水たまり(みんな みんな いいこ3)

☆50音順「と」の時書いたものです

doronnko.png


マサエ先生は この頃ずっと 「一つくくり」だ。


エリカちゃんは マサエ先生が大好きだけど
前みたいに かみの毛を「二つくくり」にした マサエ先生のほうが
もっと もっと いいと 思う。

だから 朝 ママに かみの毛をくくってもらう時、
「二つくくりにしてね。」
って 言いながら
今日 先生も 一緒だったら いいのにな と思う。



だけど やっぱり 今日も 
マサエ先生は「一つくくり」だった。




昨日の 雨で 幼稚園のお庭は どろんこ 水たまり。
エリカちゃんは  お気に入りの 
ひらひらの くつしたを汚さないように 
カサをつえにして ゆっくりゆっくり歩いてた。

「あっ」

突然 タカくんが ぶつかって 
エリカちゃんは よろけた。

どろんこ 水たまりに バッシャン 足が入って、
くつしたが どろんこ 水玉もように なった。

ママにおこられる!

エリカちゃんは 泣き出した。

マサエ先生が 飛んできて タカくんをつかまえながら
「大丈夫よ、先生 すぐ 洗ってあげるね。」
エリカちゃんのくつした脱がせてくれたんだ。


「わざとじゃないもん。」
タカくんは ぷぅ とふくれた。


でたらめの「アマガエルのうた」を歌いながら
たっちゃん先生が やって来た。

うしろで みんながケロケロ カエル軍団になって
みずたまり ピョン ピョン 飛んできた。


くつ下持ったマサエ先生と 泣きべそ顔のエリカちゃん、
ふくれっつらの タカくんを見て
たっちゃん先生、何て言ったと思う?


「くつ 脱いだら、くつ、汚れないなぁ・・
  くつ下はいてなかったら、くつ下も大丈夫・・。」

たっちゃん先生の目は もう くりくり 輝いている。



「やったー。オレ 一番!」

こんなことには すごくカンがいい ユキくんが
さっさと はだしになって 水たまりに 飛び込んだ。

タカくんも 飛び込んだ。 
サキちゃんも 飛び込んだ。

「マサエ先生、マサエ先生も アマガエル!」

「エリカちゃん おいでよ。
   気持ち悪いけど 気持ちいいよぉ。」

みんなが 呼んだ。
たっちゃん先生も呼んだ。



エリカちゃんは そおぉっと つま先を どろんこにつけてみた。
横に並んで きれいな白い マサエ先生の はだしの足が あった。

エリカちゃんと マサエ先生は 顔を見合わせて 
クスリと 笑ったよ。




あらい場に どろんこ足が ずらりと並んだ。
大きな たっちゃん先生の足も 一緒に 並んだ。

大きいタオルで マサエ先生が みんなの足を
順番に 拭いた。

マサエ先生、自分の足も 洗って 拭いた。
マサエ先生、鼻のあたまに どろんこついてるよ。

みんなが笑った。
マサエ先生も 笑った。




お迎えに来た ママたちの顔ったら おかしかった。

「このまま 習い事に連れて行く つもりでしたのに。」
エリカちゃんのママは ちょっと 怖い顔をした。

園長先生が 出てきて 謝った。
マサエ先生も たっちゃん先生も 謝った。

だって みんな 足だけじゃなくって、
かみの毛にも 下着にも どろんこ ついちゃってたんだもの。


だけど エリカちゃんは ママのうしろから 
マサエ先生に 合図した。

今度は お着替え持って来るから
ぜったい ぜったい また やろうね。
楽しかったね。
すごく すごく おもしろかったね。



明日は マサエ先生、きっと
「二つくくり」してくるよ。


エリカちゃんは そんな 気がした。


縫い針(みんなみんないいこ4)

☆50音順story「ぬ」の時書いたものです。

えっと 今回は 小学生モノなのですが
なぜかカテゴリは「みんな みんな いいこ」です。
タネあかしは 後で。あ、すぐ わかっちゃいました?

nuibari.png




たっちゃんは 授業中 じっと していられない。


窓の外に
おや と思うものが 見えたら
そばに 行って 見たくなってしまう。


それは 信号が 青なのに 
まだ立ち止まってる人だったり

畑で しゃがんで 
何かをじっと みている おじさんだったり

体育館の軒下に ちらりと見えた子猫だったり

はらり と 降りだした 雪だったりする。



そして 何か 気になることがあったら
絶対 今すぐ 確かめてみたくなって 
先生の声が 聞こえなくなってしまうんだ。
 


ジャンバーのファスナーが 
どうして 噛み合って しまるのかとか

となりの席の子の 万華鏡型のキーホルダーの
中は いったいどうなってるのかとか

前の席の二人の女の子の 両方のかみの毛を
そおっと 3つの束にして取って
ふたり一緒にみつあみにしても 気づかれないかとか

そういう ことだったりする





小学校最初の担任の先生は 
よく校庭まで追っかけてきて
みんなが 待ってるから 教室に帰ろうと
抱っこしてでも 連れて帰った。

もう少し大きくなったときの 先生は
そんなに 勝手なことばかりしていたら
必要なことが 覚えられないよ
みんなから 置いていかれるよ
と言った。

他に 担任になった先生も
我慢を学ぶことも 大切だとか

いい加減にしないと 親御さんと相談しますとか

結局 自分のためにならないよ とか
いろんなことを 言った。



たっちゃんは 別に そういうことが
解らないわけじゃない。
最近なんかは ものすごく よく解るんだ。

でも 時々 たっちゃんには 
今 気になったことの方が ずっと ずっと大事に思えて
どうしても じっと授業を受けていることが
できなくなる時がある。




6年の担任の ハルミ先生は ちょっと変わってる。

他の学校から 先生が来るって わかったとき 
情報が早いリュウジが
「前の学校で、生徒をぶっ飛ばしたオンナ」だと言った。
尾ひれがついて とんでもない鬼ばばぁが 来ることになっていた。

だから やって来た先生が 
若くて小柄な 女の先生だったので 
みんなは あれれ と思った。

ハルミ先生は 最初のあいさつで
先生は 縫い物が好きなので 
みんなと家庭科の授業をするのが 楽しみです
と 言った。



ハルミ先生は たっちゃんの 様子を 
だいぶ 長いこと 黙って見てた。

どうして たっちゃんは そうするんだろう
って じっくり考えているようだった。

みんなが「たっちゃんって いっつもそうなんです。」
って説明しても しなくても 
あんまり 関係ないみたいで
たっちゃんの 様子を見てたんだよ。


そして ときどき たっちゃんに
「私の授業って そんなに 魅力ないのかなぁ」
って ちょっと情けない顔して 言った。


そして たっちゃんが 教室を出て行ったときは
何があったから 出て行ったのか
どうしても そのときでなくっちゃだめだったのか
たっちゃんと 長いこと 話してた。

そう 
ぶっとばしたりは 絶対に しなかった。



なあんだ ウソ情報だったじゃん
みんなが 思った。



だから 家庭科のときの事件には みんな びっくりしたんだよ。

それまでにも 理科の時間 たっちゃんは
試験管に 指突っ込んで 抜けなくなったり
観察のため って かえるを山盛り捕ってきて
教室に 放したり・・・・色んなことをした。

家庭科では 指の皮に 波縫いもしたし
何だかひとり 全然ちがう料理を作ったりもした。



たっちゃん、外に飛び出す回数は 減ったけど
ますます 色んなことを考えつくようになっていた。



だから 
実験で 混ぜちゃいけない液体 混ぜたり
バーナーの火で 火事起こしたりだって
時間の問題だぜって 

みんな ハラハラしていたんだ。






で、家庭科・・・。

誰かが 言ったんだ。

ミシン用のコンセントに ぬい針2本差し込んで
バチっと 火花起こす方法。



たっちゃんが やってみないワケがない・・。




たっちゃんが 2本の針を刺しこんだとき
何が 起きたかって?

たっちゃんが ぶっ飛んだ。

それは 火花が出たからじゃなかった。



たっちゃんには 何が何だかわからなかった。
突き飛ばされて 後ろの黒板の下に 
しりもちついて 転がったんだ。









ふたりっきりの 教室で ハルミ先生は たっちゃんに言った。

「命にかかわることだけは 
   先生は 絶対 絶対 許さないからね。」


そして

「先生は 家庭科が 大好きなのに
 針仕事が 大好きなのに

 こんなことで たっちゃんに もし 何かあったら  
 もう 針なんて 私 きっと 触れない。」


そう言うと わんわん 泣き出した。

おとなが こんなに 泣くなんて・・・・。
たっちゃんは 先生の目からポロポロこぼれる涙から
ずっと目が 離せなかった。




☆  ☆  ☆  ☆



「たっちゃん先生、ボタンとれてますよ。おつけしましょうか?」


園長先生が 気づいて 声をかけたら
たっちゃん先生は ニッと笑って 答えたんだ。

「大丈夫です。ボク 針と糸 いっつも持ってますから。」

園長先生の ちょっと 意外そうな 顔を 
楽しげに見ながら 
たっちゃん先生は 続けて 言ったんだ。

「一番大事なことを 忘れないようにする お守りなんですよ。
 糸はおまけです。

 でも 縫い物も 出来た方がいいでしょ?」


そして、フンフン でたらめの
「ボタンつけの歌」 歌いながら
器用に シャツの ボタン つけたんだ。


たっちゃん先生が 
針を使いながら 思い出すのは 


大事な 大事な  むかしの はなし

なんだろうね。


みんな みんな いいこ (みんな みんな いいこ5)

☆50音順「み」の時書いたものです。
「みんな みんな いいこ」も5話目です。
ちょっと 最終回っぽくなりましたが まだ 続くかもしれません。


gakki.png



幼稚園の お別れ音楽会の練習が始まった。



楽器を決めるとき シンちゃんは なるべく目立たないように
大きな身体を できるだけ ちっちゃくして 後ろのほうに座ってた。
だから マサエ先生が 
「シンバル どう?」
って 聞いたとき、他の人のことかと思ってたんだ。

でも みんなが シンちゃんのほうを振り返って
「シンバルのシンちゃん、シンバルのシンちゃん。」
って 手をたたいて はしゃいだので
何て言ったらいいのか 解からなくって おろおろした。

シンバルって 出番は少ないけど 目立つんだ。
失敗したら もっと 目立つ。

大きな声で「いやだ」とも言えなくって
シンちゃんは「シンバルのシンちゃん」になった。



シンちゃん、お母さんに頼んで
ツナのカンヅメ買ってきてもらって あわてて食べた。
空きカン ふたつ
コツンコツンたたいて いつも練習してる。

大きな身体でリズムとって ね。 

  
      ★


ユキちゃんは 3歳になる前から ピアノを習ってる。

ユキちゃんのママは 楽器が決まるまで 毎日毎日ユキちゃんに、
「電子ピアノが いいわよね。」
って 言う。

 電子ピアノは 伴奏の先生の大きなピアノの横で 
ひとりだけが弾けるんだ。
ママは ユキちゃんが年少さんのときから 
ユキちゃんが音楽会で 電子ピアノ弾くのを 楽しみにしていた。



だけど ユキちゃんは 鈴がやりたい。

仲良しの 車イスの チカちゃんは 
身体中の力を使って 一生懸命 鈴を振る。
ユキちゃんは そんなチカちゃんのそばで おんなじ鈴 振りたいんだ。
「やったね。」って ふたりで笑うときが 一番楽しい。

お母さん、ユキちゃんが 「鈴が したい。」って言ったら
怒るかなぁ・・・。


         ★



クニちゃんが大きな声で歌うと 
みんな チラチラ クニちゃんを見て クスクス笑う。
幼稚園に入ってから クニちゃんは お歌の時間が大嫌いになった。

「さあ、みんなで 歌いましょう。」
って 先生が言うと
口をギューっと 一文字にして 絶対開かない。



でもね、このごろ たっちゃん先生が
クニちゃんが 遊んでるとやって来て 
そばで でたらめ歌 歌うんだ。 

たっちゃん先生の歌は 全然上手くないけど 
大きな声で 気持ちよさそうに歌う。


みんなのまねして クニちゃんも
たっちゃん先生の歌に「ポコポン」とか「ケロケロ」とか
合いの手入れてみた。

クニちゃんが 考えついた 合いの手なんかも 最近できた。
それ さ、けっこうみんなの お気に入りなんだ。

クニちゃん ちょっと お歌が好きになりそうだ。


     ★



カツくんは じっとしていられない子だ。
退屈すると ときどき びっくりするような 大声で叫んだりもする。

アミちゃんのお母さんが 園長先生に言った。

━カツくんは 音楽会 無理なんじゃないでしょうか。
 記念のビデオにも残ることですし・・。



たっちゃん先生は笑って言ったんだよ。
ボクも じっとしてられない子どもでしたよ・・って。

ビデオは アミちゃんのクラスの いい記念になりますね。

でも、ビデオカメラを通してばかりじゃなく
アミちゃんやカツくんの そのときの 頑張りを見てくださいね。




カツくんの 退屈しない音楽会にしたいな、アミちゃんも思っている。


          ★


シズカ先生は ほんとはピアノがすごく上手だ。
だけど いつも あんまり弾きたがらない。

間違えてしまって みんなが歌うのを台無しにしそうで 怖いんだって。
発表会や コンクールで 緊張しすぎて 失敗するタチなんだって。

でも 園長先生は シズカ先生に にっこり笑って
「お願いしますね。」
と ピアノ伴奏を 任せたんだ。

シズカ先生は 毎日毎日 練習してるよ。
みんなは そっとガラスごしに覗いて 応援してる。

シズカ先生 リラックス リラックス。

     

      ★


マサエ先生?
マサエ先生は 指揮。

マサエ先生が怖い顔をすると みんなの歌声も 怖くなる。
だから マサエ先生は その前にどんなに 怒っても
にっこり 笑って指揮をする。

ふたつくくりにした かみの毛を
ぴょこん ぴょこん 揺らしながら

マサエ先生は 指揮をする。


      ★


お迎えの お母さんたちの間では
何の楽器が 誰になったかとか どうやって決めたかとか
まだまだ 色々 言ってるみたい。

だけどね、みんな 頑張って練習しているよ。
年長さんたち きっと きっと いい思い出になるよ。







あ、忘れてた、たっちゃん先生ね。
たっちゃん先生は 何の役?って 聞いてみて。

きっと こう言うよ。

「ボクは みんなの 応援団長だよ。」


たっちゃん先生は これからも ずっと ずっと
みんなの 「応援団長」なんだって。





ラッパーばーちゃん トメ子ちゃん(みんな みんな いいこ6)


☆50音順「ら」の時書いたものです。

「みんな みんな いいこ」です。
幼稚園やたっちゃん先生はでてきません。
だけど やっぱり「みんな みんな いいこ(いい ばーちゃん?)」です。
挿絵おねだりしたら、aoiさんがふたごちゃんの可愛い絵を下さいました!!
嬉しい~ 言ってみるもんだ。 aoiさん、感謝!!(^_^)




futago-hachi.jpg









ユキナちゃんのママ ユカリさんに 赤ちゃんが生まれた。
それも ふたごちゃん だよ。

名前は「シオンちゃん」と「リオンちゃん」

     

ユキナちゃんのばあちゃんのヨシ子さんは
「ふうん、いまどきの名前だね。」って 言って 
もう決まってるのに 漢字を色々 当てはめた。


ユキナちゃんの ひーばーちゃんのトメ子さんは
「なんだかハイカラな名前だねぇ。異人さんみたいだ。」
と、ニコニコして言った。


     *
  

少し名前の話をするね。



ヨシ子ばーちゃんは ほんとのところ、
「子」がつく名前が気に入らなかったんだって。
少し年下の妹たちの名前の「~エ」とか「~ミ」とかが
羨ましいなぁって思ってた。

だからこっそり ペンネームとか芸名とかいっぱい考えたんだって。



ひーばーちゃんのトメ子さんは 実は「トメ」。

「子」がつくのが かっこいいからって 
いつの間にか 勝手に「トメ子」って名乗ってる。

最後の子どものつもりで「トメ」だったらしいけど
ひーばーちゃんの下にはぞろぞろ 妹、弟がいる。



    *


ふたごの赤ちゃんは 何でだかいつも いっぺんに泣く。

ユカリママは 最初は 
「アタマが変になりそうよぉ」
って 泣きべそかいてたけど この頃は
「はいはい 待っててね~」なんて言いながら
けっこう のんびりやっている。

ヨシ子ばーちゃんの方が 張り切っちゃってる。
 サーッと駆けつけて
「はい、私がシオンちゃん見てるから、
   ユカリはリオンちゃんにオッパイやって。」

ばーちゃん ビシってしてて TVの戦隊物の女戦士みたいだよ。


ひーばーちゃんは 抱っこしたくってしょうがないんだけど
「落としたら大変だからねぇ・・」
って 抱っこ、ガマンしているんだ。


     *


ひーばーちゃんが 風邪で入院したときの話も ちょっと聞いてね。



赤ちゃんがお腹に入る前のユカリママと ユキナちゃんが
お花持って お見舞いに行った。

ヨシ子ばーちゃんは ユキナちゃんに うつるといけないっからって
「早く帰りなさい」って、追っ払うようなこと言うんだ。

ユキナ、今来たとこだよ、ヨシ子ばーちゃん。



ひーばーちゃんは いつもおだんごしてる かみの毛 下ろしてた。

「かみの毛散らかって申し訳ないから チョキンと切っとくれ」

何で持ってるんだっていう感じの 黒い鉄のハサミを
ゴソゴソ 取り出してきて言った。



ユキナちゃんが お気に入りの 黄色いゴムをポケットから出して

「ひーばーちゃん、コレでくくったらいいよ。
       ユキナとおそろいに編んで。」

ママに言ったら、ヨシ子ばあちゃんは 「そんなの変」って言った。

だけど ひーばーちゃんは、嬉しそうな顔したよ。

「じゃあ、お願いしようかね。」って
よっこらしょ、ベッドから降りて 床にぺたんと座った。


それから「ちょっと 冷えるかねぇ。」って言って、
お隣のベッドの人から 新聞紙を借りて 広げると 
済ました顔で チコンと座った。



お花を花瓶に入れて戻ってきた ヨシコばーちゃんは 
「お母さん やめてよ。」
あきれた顔で 言った。

でも ユキナちゃんは ひーばーちゃんの白髪の三つ編み、
可愛いなって思ったよ。
チコンと新聞紙に座った ひーばーちゃんは
小さいお鏡もちみたいだと思ったんだ。



      * *



ユキナちゃんは 幼稚園で習った歌

ユカリママは ポップス。

ヨシ子ばーちゃんは 演歌。

ひーばーちゃんは お経。

みんな ごきげん。

 

ママとばーちゃんの歌は あんまりだけど 
ひーばーちゃんのは ちょっと面白い。

「ひーばーちゃん、それって ラップ?」
ユキナちゃんが聞くと、

耳の遠いひーばーちゃんは
何だかよくわかんないけど、
しわしわの顔をもっとしわしわにして

ニーっと笑って ピースした。




冷蔵庫(みんなみんな いいこ7)

☆50音順「れ」の時書いたものです。
reizouko.png



(カヨちゃん先生がしてくれた「おばけ冷蔵庫」のはなし)

*  *  *  *  *

くいしんぼうの くまのクーちゃん 
おやついっぱいを食べたいの。

だけど ママはいつも 
「これだけね」
お皿に ちょっぴり。

くいしんぼうのくまのクーちゃん 
おやつをいつでも食べたいの。

だけど ママはいつも
「3時になったらね」


ある日 クーちゃんは ママのおるすに 
用意されたおやつ 食べちゃってから
冷蔵庫をのぞきます。

あるぞ、あるぞ、おいしそうなもの。

キイチゴジャムに ハチミツに  
ステキに美味しい ママの作ったアップルパイ。

くいしんぼのクーちゃん ちょっぴりだけ、つまみぐい。

ママは気づきません

つぎのおるすばんも そのつぎも
くいしんぼのクーちゃん 
ちょっぴり ちょっぴりつまみぐい。

でもその ちょっぴりが 
だんだん 大きな「ちょっぴり」になります。

だけど ある日のこと。

クーちゃんの ママが
さあておやつの時間だわ、
クーちゃん一緒に たべましょうって 

冷蔵庫開けたら あららたいへん

どうして こんなに からっぽなの?

クーちゃんは ドキドキ かくして あわてて言います。

「きっと 冷蔵庫がたべちゃったんだよ、ママ」


「ふううん それじゃあ しかたないね。
 3時のおやつは なしにしましょう。
 困った冷蔵庫さんだこと。」


ママにはおこられずにすんだけど、
クーちゃんは そのあと 大変な目にあっちゃうんだ。

ホッとしたクーちゃん 
今度はほんとに ちょっぴりだけって
冷蔵庫を 開けた時 

おこった冷蔵庫が
「ひとのせいにするなんて なんて子だ!」

キャンディーにのばした クーちゃんの手を
中からグイグイひっぱった。

「わー、ママ~助けて~!!」


☆  ☆  ☆  ☆


お話つくるのが大好きな カヨちゃん先生、
マサエ先生がご用の日、みんながおねだりしたら
こんなお話をしてくれた。
作りかけなんだけどなぁ・・って言いながら。

みんなは きゃあきゃあ言って喜んだし
その後 カヨちゃん先生と一緒に 
いろんな 続きのお話を作って遊んだよ。

すぐに ごめんなさいして
許してもらうっていうのが タカくん
ママが変身して戦ってくれるのは ミサちゃん
アッくんなんか 冷蔵庫の中で冒険する話を作ってくれた。

楽しかった。
楽しかったんだけど・・・

事件は 次の次の日おきたんだ。


☆  ☆  ☆


かかとの高い靴をカツカツいわせ、
きれいに巻いた髪の毛をブルブル振って、
マユカちゃんのママが 幼稚園にやってきた。
マユカちゃんの手をしっかり握って。

そういえば マユカちゃん、昨日 お休みだったっけ。


園長先生が どうそあちらのお部屋で
お話しうかがいます って言っても

─ ここで 結構ですっ 

先生たちのお部屋の入り口で 立ったまま。 

カヨちゃん先生が呼ばれ、マサエ先生も慌ててやって来た。


話は こういうこと。
カヨちゃん先生の「つくり話」を聞いてから
マユカちゃんが 「冷蔵庫がこわい」って泣くんだって。
眠れないんだって。

イタズラにこどもをおどかし フアンをあたえるような
そんな お話をするなんて なんてこと。


カヨちゃん先生はシュンとするし 
マサエ先生はペコペコする。

園長先生が マユカちゃんとお話しようと思っても
マユカちゃんママは、お構いなしに
考えてきたことを 言い続けてる。

マユカちゃんは ずうっと 下を向いている。



マユカちゃんのママのお話が 
ますます 長くなりそうな時だった。

たっちゃん先生 ダンスのスッテプ踏みながら やって来た。

「あれれ、マユカちゃん・・」

入ってくるなり たっちゃん先生
マユカちゃんに声をかけた。

マユカちゃんママがギロリと睨む。

たっちゃん先生は ペコリと頭を下げて
自分の机に ご用をしに行った。
たっちゃん先生は マユカちゃんの顔を
横目で ずっと、見ていたよ。

マユカちゃんママの きれいな巻き髪でも 
口紅の似合う よく動くお口でもなく
もちろん 素敵なお洋服でもなく 
その後ろで 下を向いたままの マユカちゃんを見ていたよ。



パタン、パタン、机の引き出しを 音たてて閉め
たっちゃん先生が立ち上がった。
マユカちゃんママの後ろを通り過ぎ お部屋を出て行った。

あれれ、マユカちゃんの手を引いて
たっちゃん先生どこ行くの?



─ 何するんですっ、
  これ以上子どもを傷つけるようなこと 言ったりしたら・・

気がついた マユカちゃんママが 怖い顔して追いかけてくる。
マサエ先生たちも 心配顔で ついて来た。



「きゅうとうしつ」
おうちの台所みたいなお部屋には 流し、食器棚 
ポット、そして おおきな 銀色の冷蔵庫。

たっちゃん先生とマユカちゃんが 
大きな銀色冷蔵庫 見ながら
何か お話している。

マユカちゃんママが 入っていこうとしたら
園長先生が止めた。

「少しだけ 待ってください」



たっちゃん先生、銀色冷蔵庫、開けてるよ。

マユカちゃん?
マユカちゃん・・・覗き込んだ!

たっちゃん先生、冷蔵庫の中に 何か話しかけてるよ。

マユカちゃん?
マユカちゃんも 何か言ったよ。

笑ってるよ、笑ってる。

ふたりニコニコしながら 出てきたよ。



何がなんだか訳わかんないって感じのマユカちゃんママに
たっちゃん先生が 言ったんだ。
マユカちゃんの背中を ぽんって押しながら。

「マユカちゃん、おかあさんに お話することがあるんですよ」

マユカちゃんの笑顔がちょっとひっこんで、
たっちゃん先生の顔を見上げた。

「ほら、冷蔵庫の親分との 約束! マユカちゃん。」
マユカちゃんは スカートの横で ギュっとグーをにぎると
ママに言ったんだ。

「ごめんなさい、ごめんなさい ママ、
 勝手にチョコレート食べたの。

 ママに内緒で キャンディー食べたの。

 ごめんなさい、ごめんなさい。」

ママのきれいなお洋服に ぐしょぐしょ涙と鼻水つけて 
マユカちゃんは しゃくりあげて泣いた。

ママは 最初びっくり顔だったけど、
マユカちゃんの背中をよしよしって
さすってくれた。





「カヨちゃん先生~、新しいお話、できたぁ?!」
アッくんが 廊下をバタバタ走ってくる。

「今日は 先生、冷蔵庫のお話の続きをするんだって。
 くまのクーちゃん ママに ごめんなさいして 
 冷蔵庫さんと仲直りする話・・でしたっけ?」

たっちゃん先生が カヨちゃん先生の方を笑いながら見て言った。
カヨちゃん先生、
「そ・・そう、そう、
  そうです そうでしたです!」

慌てて 言った。
言葉 変だよ、カヨちゃん先生。


たっちゃん先生は フンフン「冷蔵庫の歌」歌いながら
お玄関まで歩いていくと 

おーし、外で思いっきり遊ぶぞぉ

・・・気合を入れて 走って行った。



ごあいさつ その2

october2.gif



はじめて覗いて下さった方、ようこそ お越しくださいました。

何度かいらしてくださった方、 心から ありがとうございます。

魔女・・・ではなくて なずなです。

書きためてた ストックも 出し切りまして
新たなキモチで 新作を 書き出します。

ということで 更新は カメさんに なります。

折角来たし、一個くらい読んで いっちょ 足跡残してやるべ
という 優しい方、 
記事の新旧、コメントの多少、全然気にしませんので 
どこでも コメントしていってくださいませ。

トラックバック、HP上の創作のURLを残して下さるのも歓迎です。

よろしく お願いいたします(*^_^*)

初めての方は 
blogを説明した 「ごあいさつ」の記事も あわせてご覧ください。

絵の方に興味を持ってくださった方が いらっしゃれば
こちらがGalleryです。



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すずはら なずな

すずはら なずな

どれも短いお話ですが 
一つでも心に残ったら嬉しいな。

過去記事どこにでも、
コメントOKです。
舞い上がって
喜びます。

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