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STAND BY ME

生きることにちょっと 不器用な子どもたち、もと子どもたちの 短いお話を 綴っています

「ね」~ねこ(風と草の記憶)

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サワサワ ザワワ
いうのは 何?


ぼんやり 明るくなって 暗くなって
明るくなって 暗くなって

ボク うとうと 眠ってたんだよ。

そしたら いつのまにか

大きくて あったかくて
優しい 場所が

なくなっていた。


くちゅ くちゅ くちゅ
押し合い へし合い だんごになって 飲んだ
あの おいしくって しあわせなもの

そばに ない。



サワサワ ザワワ
音が 大きくなると
ちょっと こわくて


おんなじ大きさの あったかいぬくもりを
探し合って ひっついて また 眠った。

寒くは ないけど ぷるぷる ふるえた。


ミィミィ チィチィ
みんなで 呼んだ。

どこに いるの?
オカアサン。







明るくなって 暗くなって
気がついたら 
そばに もう だれも いなかった。


サワサワ ザワワ 音だけがした。
あなた だれ?
ザワザワ言わないで こわいから。

私は 風。 
サワサワいうのは 草の葉さ。
大丈夫。風も 草も おまえさんを いじめない。

こわいのは もっと もっと 別のもの。







色んな ぬくもりが 通り過ぎた。
抱き上げられ ほおずりされ 
下ろされた。

しっぽを つままれ 足をひっぱられ
なでまわされた。




おなか すいた。


いいにおいのもの 誰かがくれたけど
飲み方が わからなかった。

チュウ チュウできる あのやさしいぬくもりなら
おなかは いっぱいに 満たされるのに。






チクンとした。
キミは 誰?


オイラは 虫。
大きくなったら ネコは オイラを 追いかける。

気をつけな。
上から カラスがねらってる。

アンタがしっかり 育つまでは
鳥の方が だんぜん 強い。

気をつけな。
急降下してきたら オダブツさ。





ふわりと また 抱き上げられた。
そのまま 静かに なでられた。

オカアサンの ザラザラの舌の方が 気持ちいいけど
なんだか 安心できる あたたかさがあった。





オマエの幸運 祈ってるぜ。
虫が言った。

幸せにおなりね。
草たちの コーラスが聞こえた。





風があたらない物の中 ゆっくり ゆっくり下ろされた。

ユラリ ユラリ カタ カタン
ここは どこ?

ユラリ ユラリ カタ カタン
ボク どこに 行くの?

風の音が 遠い。








「ただいま。」

「なぁ ママ どうしよう。」

「何?何なの?カバンの中?」




やわらかい さっきの手が 明るいところに 連れ出した。





幸せにおなり、幸せにおなりよ。
風が ささやいた。


やわらかい手 
安心になる この におい。







明るくなって 
明るくなって

何でも見えるようになったら
この手の上を ちゃんと 見上げて

いっぱい いっぱい 言おう。



ありがとう。
だいすき。









ここから 実録blog「我が家に猫がやって来た~なずなさんちの大和くん」に 続きます 。
ここで「ママ この子飼っていい?」って すぐにかわいらしく言わないのは 実際の場面とリンクしたかったからです。ちょっと変な セリフですが・・

コメント

ちっちゃかった猫は・・

それはもう か弱くて はかなげで、
足なんか折れそうで、
丸まってたら ただの 毛玉だったよ・・。

今は  もうエラソーで どでーんとしてるけど(^_^;)。

なずなさんの、ほんわ~かと優しいお話の世界が広がりますね!

今回のお話は、なんだかお母さんの包容力や、優しい香りの漂うお話ですね♪

そうだといいな。

下のふたりは あいかわらず 追っかけまわし
抱っこします(^_^;)。
ま、気持ちは解るけどね・・。

すごーく 長女に 忠実なので きっと 特別な思いがあるのでは・・と思うの。

しあわせ

みんなが幸せということは、やまとくんもしあわせなのよね。

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すずはら なずな

すずはら なずな

どれも短いお話ですが 
一つでも心に残ったら嬉しいな。

過去記事どこにでも、
コメントOKです。
舞い上がって
喜びます。

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