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STAND BY ME

生きることにちょっと 不器用な子どもたち、もと子どもたちの 短いお話を 綴っています

みんな みんな いいこ (みんな みんな いいこ5)

☆50音順「み」の時書いたものです。
「みんな みんな いいこ」も5話目です。
ちょっと 最終回っぽくなりましたが まだ 続くかもしれません。


gakki.png



幼稚園の お別れ音楽会の練習が始まった。



楽器を決めるとき シンちゃんは なるべく目立たないように
大きな身体を できるだけ ちっちゃくして 後ろのほうに座ってた。
だから マサエ先生が 
「シンバル どう?」
って 聞いたとき、他の人のことかと思ってたんだ。

でも みんなが シンちゃんのほうを振り返って
「シンバルのシンちゃん、シンバルのシンちゃん。」
って 手をたたいて はしゃいだので
何て言ったらいいのか 解からなくって おろおろした。

シンバルって 出番は少ないけど 目立つんだ。
失敗したら もっと 目立つ。

大きな声で「いやだ」とも言えなくって
シンちゃんは「シンバルのシンちゃん」になった。



シンちゃん、お母さんに頼んで
ツナのカンヅメ買ってきてもらって あわてて食べた。
空きカン ふたつ
コツンコツンたたいて いつも練習してる。

大きな身体でリズムとって ね。 

  
      ★


ユキちゃんは 3歳になる前から ピアノを習ってる。

ユキちゃんのママは 楽器が決まるまで 毎日毎日ユキちゃんに、
「電子ピアノが いいわよね。」
って 言う。

 電子ピアノは 伴奏の先生の大きなピアノの横で 
ひとりだけが弾けるんだ。
ママは ユキちゃんが年少さんのときから 
ユキちゃんが音楽会で 電子ピアノ弾くのを 楽しみにしていた。



だけど ユキちゃんは 鈴がやりたい。

仲良しの 車イスの チカちゃんは 
身体中の力を使って 一生懸命 鈴を振る。
ユキちゃんは そんなチカちゃんのそばで おんなじ鈴 振りたいんだ。
「やったね。」って ふたりで笑うときが 一番楽しい。

お母さん、ユキちゃんが 「鈴が したい。」って言ったら
怒るかなぁ・・・。


         ★



クニちゃんが大きな声で歌うと 
みんな チラチラ クニちゃんを見て クスクス笑う。
幼稚園に入ってから クニちゃんは お歌の時間が大嫌いになった。

「さあ、みんなで 歌いましょう。」
って 先生が言うと
口をギューっと 一文字にして 絶対開かない。



でもね、このごろ たっちゃん先生が
クニちゃんが 遊んでるとやって来て 
そばで でたらめ歌 歌うんだ。 

たっちゃん先生の歌は 全然上手くないけど 
大きな声で 気持ちよさそうに歌う。


みんなのまねして クニちゃんも
たっちゃん先生の歌に「ポコポン」とか「ケロケロ」とか
合いの手入れてみた。

クニちゃんが 考えついた 合いの手なんかも 最近できた。
それ さ、けっこうみんなの お気に入りなんだ。

クニちゃん ちょっと お歌が好きになりそうだ。


     ★



カツくんは じっとしていられない子だ。
退屈すると ときどき びっくりするような 大声で叫んだりもする。

アミちゃんのお母さんが 園長先生に言った。

━カツくんは 音楽会 無理なんじゃないでしょうか。
 記念のビデオにも残ることですし・・。



たっちゃん先生は笑って言ったんだよ。
ボクも じっとしてられない子どもでしたよ・・って。

ビデオは アミちゃんのクラスの いい記念になりますね。

でも、ビデオカメラを通してばかりじゃなく
アミちゃんやカツくんの そのときの 頑張りを見てくださいね。




カツくんの 退屈しない音楽会にしたいな、アミちゃんも思っている。


          ★


シズカ先生は ほんとはピアノがすごく上手だ。
だけど いつも あんまり弾きたがらない。

間違えてしまって みんなが歌うのを台無しにしそうで 怖いんだって。
発表会や コンクールで 緊張しすぎて 失敗するタチなんだって。

でも 園長先生は シズカ先生に にっこり笑って
「お願いしますね。」
と ピアノ伴奏を 任せたんだ。

シズカ先生は 毎日毎日 練習してるよ。
みんなは そっとガラスごしに覗いて 応援してる。

シズカ先生 リラックス リラックス。

     

      ★


マサエ先生?
マサエ先生は 指揮。

マサエ先生が怖い顔をすると みんなの歌声も 怖くなる。
だから マサエ先生は その前にどんなに 怒っても
にっこり 笑って指揮をする。

ふたつくくりにした かみの毛を
ぴょこん ぴょこん 揺らしながら

マサエ先生は 指揮をする。


      ★


お迎えの お母さんたちの間では
何の楽器が 誰になったかとか どうやって決めたかとか
まだまだ 色々 言ってるみたい。

だけどね、みんな 頑張って練習しているよ。
年長さんたち きっと きっと いい思い出になるよ。







あ、忘れてた、たっちゃん先生ね。
たっちゃん先生は 何の役?って 聞いてみて。

きっと こう言うよ。

「ボクは みんなの 応援団長だよ。」


たっちゃん先生は これからも ずっと ずっと
みんなの 「応援団長」なんだって。





コメント

いらっしゃいませ♪

ひろさん、ハイジさんコメントありがとう(^。^)

私は、あんまり細かい情景描写が上手くできないので
いまのスタイルが 合ってるような気がします。(^_^;)
50話書けたら もう少し別の描き方もtry してみたいです・・

オトナも子どもも 色んな人(私自身も含め)のいろんな生き様
を 受け容れて いとおしむような、そんな作品を書いていきたいな、と思います。
ひろさん、ハイジさん お二人の作品大好きです。楽しみに読みに行きます。ここでも宣伝させてくださいね。
すごーく ステキな サイトです。ぜひ 訪問してみてくださいね。

こんにちは。
こちらへのコメントは初めてです。
よろしくお願いします。(笑い)

なずなさんは お子さんをよく見ていらっしゃいますね。
絵に浮かびます。
たぶん、入院された事も・・・上手に書いてみえましたね。

私も長編を書きあげた所です。
少し ホッとしています。

また、遊びに来させてもらいます。
どのお話も 温かい気持ちになれますね。
切なくても 愛情がいっぱい詰まっているからでしょうね。

こんにちは^^

こんにちは^^先日はうちに来て頂いてありがとうございました。
なずなさんのお話を毎日少しずつ読ませてもらっています。
どのお話も本当に読みやすく、優しさにあふれていて素敵でした^^
子供さんのこと、よく観察されてますね!子供って同じことをしていても、個性あふれる行動をしますよね。私はすごーく内向的な子だったので音楽の時間は他の人に聞こえないような小さな声で歌ってました(笑)それで、「聞こえないよ~」と先生に言われて一人で歌わされ、泣いちゃったり(^^;

「病気のこと少し」を読んで、すごく感動しました。
自分のことより子供のことを心配する優しいお母さん、尊敬します。心から治ってほしい、と願わずにはいられませんでした。

それでは、また(^^)/

hirononさんへ

ふふ、hirononシズカ先生ですか?
子どもの幼稚園で実際 伴奏の先生が止まってしまたことがあるの。
でも 子ども達は 指揮の先生の様子をみて そのまま 歌い切った。 ピアノの先生も 少しして なんとか 戻った。
かなり責任感じてらしたと思うけど、それも いい思い出。
歌い切った子どもたちにも拍手 拍手でした。
 hirononさんもリラックス リラックス。

こんにちは~

子どもって、色んな子がいますね。
大人が思うのと、本人たちが思ってるのって、ちょっと違ったりしますよね。
それで、大人もいろいろ。だから面白いですね!
私、やっぱり、シズカ先生に似てるところがあるかな・・・。
大事な時に失敗する(笑)根性がないなぁ~
なずなさんのお話は、人をほんとに良く見てるので、好きだなぁ。

こんばんわ

リンクありがとうございました。私の方も貼らしていただきました。
これからも、よろしくお願いいたします。

亜季さんいらっしゃいませ♪
フトンさん ようこそ(^_^)

こどもたちは それぞれが 大事で魅力的。
だから 評価みたいなことは 書かずに 並べて書いてみました。あ、オトナもね。

学校行事、私も長女のときは 色々口だしそうになったけど 
今は子ども自身に 全く「お任せ」です。(^o^)丿

└( ̄▽ ̄*)こんちわ♪

小説読んで頂き、ありがとうございました。
ナズナさんの作品読ませていただきました。((。_。)((。_。)ウンウン
丁度同じぐらいの子供が居るので、思わず微笑んでしまいました。長女が今年卒園するので・・・作品がたくさんあるのでゆっくり、読んでいきます・・とっても楽しみにしていますね(*⌒▽⌒*)b

これからもよろしくおねがいします(^0^9

子供たちも先生たちもなんだか一生懸命さが伝わってきました(^U^)
子供たちってホントに大人の気持ちを素直にさせるくらい素直だから大好き!

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すずはら なずな

すずはら なずな

どれも短いお話ですが 
一つでも心に残ったら嬉しいな。

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舞い上がって
喜びます。

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