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STAND BY ME

生きることにちょっと 不器用な子どもたち、もと子どもたちの 短いお話を 綴っています

「お」~オフィス 女の子

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「女の子じゃなくて、担当のヤツ出せって言ってるんだ。」

相手の語調はかなり激しい
キッとなって、

「私も担当者です。お話伺います・・。」
と、言いかけた、その瞬間、

「ペアのマツイくん」が受話器を取り上げた。


「はい、その件ですね。こちらの手違いで、申し訳ありません。
   ・・はい。・・・ええ、もちろんです。」

マツイくんは電話にペコペコ頭を下げ、完全に話を合わせて謝ってばかりいる。

あちら側だって、ミスしてるのに・・私だって担当者なのに・・

マツイくんより私のほうが先輩なのに・・・。

言いたいことがいっぱいある顔をしていたのに気づいたのか、
「ペコペコ マツイくん」は片目をつぶって合図し、

「まぁ、落ち着いて」とでも言うように、こちら側の手をヒラヒラさせた。



「昔風のアタマのオヤジですからね。合わせといたらいいですよ。
  相手だって、自分とこのミスに 気づいてましたしね・・。」

電話切って、マツイくんは私に言った。

悔しくて なみだ目になる。
それが悔しくて、ムキになる。


「何で電話取り上げるのよ。私だって対処できた。」

マツイくんはニコニコしたまま

「まぁ、いいじゃないですか。ボクなら喜んで任せちゃいますよ。
   それともオヤジの小言、聞くのシュミですか?」

 そういうモンダイじゃない。  
そういうモンダイじゃない。

 マツイくんは 束ねた書類をトントンまとめ、私に手渡すと
「そうそう、ボクね、仕事も結構好きだけど、
料理も掃除も嫌いじゃないですよ。

そうだなぁ、自宅でできる仕事して 家事もするとか・・
ああ、状況によっては、専業主夫も考えてますからね。」

返す言葉を探す私を面白そうに見て、また手をヒラヒラ振りながら、
       
軽やかに マツイくんはフロアを後にした


創英社23回超短編コンテスト入選しました。

コメント

うーん

私は「女の子」で逃げられるところは 逃げ切ったタイプ(^_^)

職場は 接客&販売が主で
若くから就職してる女子と 「学歴」のある女子、
そして男性の扱いが別だった。

だけど女子はみんな(小さいながらも役職についた女性も)
 事務所に座っているわけにはいかなかったし、名刺もなかった。
なんだかなぁ・・と思いつつ、めんどうになると「女の子」に逃げた・・。

ダメじゃん!私!

マツイくん、余裕があるな~。
この人、相当仕事も出来ると見た!

相手のオヤジは、日本にはよくいるタイプ。
でも、最初に居た会社は、女の子じゃ話にならん!
って、言われたこと無かったな~。
(理由は色々あったんだけど。)

この女性、一生懸命仕事している感じがします。
でも、それ故に余裕がなくって、
だから、女の子じゃ話にならんって言われちゃうんでしょうね。
開き直っちゃって、そこを超えると
きっとベテランって呼ばれるようになるんでしょう。
周りを見回す余裕ができるまで、頑張るんぢゃ!と
応援したいな~。実際に存在していたら。

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すずはら なずな

すずはら なずな

どれも短いお話ですが 
一つでも心に残ったら嬉しいな。

過去記事どこにでも、
コメントOKです。
舞い上がって
喜びます。

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